ソーシャルメディアで未来予測 金融危機予言した学者の次の挑戦
自分の研究は生のデータに文脈を与えることであり、ソーシャルメディア利用者の文化と言葉と心理を理解することだと同氏は言う。
例えばソーシャルメディアマーケティングが真価を発揮するためには、ユーザーの行動の真の意味を理解する必要がある。「『コカコーラが好き』とツイートした人は、実際にコカコーラを買うのか。買う本数は? 他人のツイートのリツイートは買うという意味なのか」
ハーツ氏は現在、多数の大学で教壇に立つ。ソーシャルメディア分析に関するその理論は、各国政府の政策や公衆安全、経済成長に影響を及ぼす可能性もある。一般の人たちが何を求めているかを経験的に測る指標として政府や企業が使ってきたデータの大部分が不適切な実態は、同氏の研究で浮き彫りになった。
「言葉は複雑すぎてコンピューターには理解できない。人々が集団として言っている内容を解釈することは不可能だ。コンピューター科学者と社会科学者が力を合わせて状況に文脈を与えられる新しい学問領域が必要だ」とハーツ氏は言う。
研究の成果は今のところ、Xファクターの勝者予想にとどまっている。しかしこの実験は、「世界の真意に耳を傾ける」ことによって、未来の出来事を予測できる可能性を指し示しているかもしれない。