「ヒキガエル」もネット検閲の対象に 中国で続くイタチごっこ
(CNN) 中国・北京に7月、巨大なヒキガエルのオブジェが設置されると、このカエルが江沢民(チアンツォーミン)元国家主席と似ているとして、ソーシャルメディア上で瞬く間に話題となった。中国では依然として厳しいインターネット検閲が敷かれており、政治的な議論も制限されているが、ネットユーザーはジョークやユーモアを介して巧みに政治を論じているようだ。
72フィート(約22メートル)の巨大なヒキガエルの作品はもともと、観光客を誘致するため、当局によって北京市内の公園に設置されたものとみられる。黄金のヒキガエルは中国では幸運と繁栄の象徴だ。
作品のデザイナーが国営メディアに語ったところによると、昨年、中国各地に出現して話題になった巨大なゴム製アヒルに着想を得たという。
ところが、思わぬ事態が起きた。カエル作品が設置されるや否や、中国版ツイッターの「新浪微博(ウェイボー)」上で江沢民氏との類似を指摘する声が続出。政府当局が規制に乗りだし、「ヒキガエル」がウェイボー上の検閲単語の上位に入る騒ぎにまで発展した。
江沢民氏とヒキガエルを結びつけるのは単なるジョークにとどまらない。当局のインターネット検閲をかいくぐり、ひそかに政治ついて語るために編み出された、中国ソーシャルメディア独自の語法でもある。