米政府の個人情報流出 OPM長官が辞任
ワシントン(CNN) 米人事管理局(OPM)のシステムが何者かに不正にアクセスされた事件に関連し、同局のキャサリン・アーチュレッタ長官が10日、辞任を表明した。政府コンピューターからの情報流出が当初推定よりもはるかに大規模だったことが9日に発覚し、議員らから長官辞任を求める声が強まっていた。
アーチュレッタ長官はOPM職員に送ったメールで、辞任を言明。「OPM長官を辞任するとの意向を先に大統領に伝え、受理されたことを今日午後、報告する」とした上で、「この組織を率い、職員の皆さん全てのために働いたことは、私のキャリアの中でも最高の時期だった」と述べた。
後任にあたるのは、現在、米政府の最高業績責任者(CPO)のほか、米行政管理予算局(OMB)副局長も務めているベス・コバート氏。11日から臨時で長官代理に就任する。
アーチュレッタ長官は9日、ハッカー集団が政府職員や元職員など2210万人分の個人情報をデータベースから盗み出していたことを認めた。これを受けて、同長官の責任を問う声が増大。共和党のジョン・ベイナー下院議長が9日、辞任を要求したのを始め、20人以上の議員が辞任を求めていた。
アーチュレッタ氏のOPM長官就任をめぐっては、2013年10月に上院で行われた指名承認投票の際、OPMが医療保険制度改革法(オバマケア)をどのように履行するかが主要な争点となったため、政府データベースの保護策など技術面には注目が集まらなかった経緯がある。
米捜査関係者はOPMの情報流出について、中国政府のハッカーが背後にいたとみている。米当局者によると、連邦職員への応募者の精神病歴など、機密性の高い身元情報が中国情報機関の手に渡っているという。