電子メールの生みの親、レイ・トムリンソン氏死去
(CNN) 電子メールの生みの親として知られるレイ・トムリンソン氏が死去した。74歳だった。勤務先の米レイセオンが6日、CNNに明らかにした。
トムリンソン氏は1971年、コンピューター同士で直接的にメッセージをやり取りする電子メールを発明した。それ以前の電子メッセージは、極めて閉ざされたネットワークの内部でしか共有できなかった。
米レンセラー工科大学とマサチューセッツ工科大学を卒業し、米ボストンのIT企業で、コンピューターを介してメッセージを送受信する方法を研究。インターネットの前身のARPANETでコンピューターからコンピューターへメッセージを送信する仕組みに着目した。
しかしこの仕組みは複雑すぎると考え、簡単な方法を考案する中で、送信相手の場所を示す記号として「@」を使う方法を打ち出した。
@に目を付けたのは、ほとんど使われていないにもかかわらず、キーボードにもともと配置されていた記号だったからだという。
数十年後にパーソナルコンピューターが登場すると、電子メールも爆発的に普及する。2013年の時点で39億の電子メールアカウントが存在し、ビジネスメールだけで1日当たり1000億通が送受信されている。
トムリンソン氏は2012年、インターネットの殿堂入りを果たした。
米グーグルの電子メールサービス「Gメール」は、ツイッターのアカウントで「電子メールを発明し、@を世に出してくれてありがとう」と投稿し、トムリンソン氏を追悼した。