米NASA、電動飛行機を開発へ 化石燃料不要に?
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は19日までに、航空燃料に依存しない次世代の電動飛行機「X―57」の開発に着手する方針を明らかにした。今後4年内の初飛行を計画している。
「マクスウェル」の愛称を持つ同機は単座式で、NASAの予想図によると米セスナ社の軽飛行機に外観が似ている。動力源は左右の主翼に取り付けた計14個の電動モーターで、翼先端部分に据え付けられたプロペラを回して飛行する。
X―57は、NASAが今後10年をめどに開発を目指す低騒音で環境に優しい次世代機の一環。この計画につぎ込む資金は7億9000万ドル(約822億円)。X―57開発計画が成功した場合、応用技術は民間の航空業界で生かされる可能性もある。
NASAのチャールズ・ボールデン長官は17日、ワシントンでの会合でX―57は新しい航空時代を切り開く大きな第一歩になるとの意義を強調した。
X―57の開発後は、より大型で乗客や貨物が搭載可能な電動飛行機5機の製造に挑戦する計画。NASAの担当チームは今年、X―57より小さい電動飛行機の遠隔操作式の飛行実験に成功している。
化石燃料に頼らない飛行機の話題では、太陽電池を動力源にした「ソーラー・インパルス」が今年4月、太平洋上空を2日半かけて飛び、米カリフォルニア州内に無事着陸していた。同機の飛行速度は時速30~40マイル(時速約48~約64キロ)だった。
一方、X―57の場合は時速175マイル(時速約282キロ)に達すると予想されている。