海に浮かぶ「フロート空港」 実現の可能性は?

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英ロンドンから東に約48キロ離れたテムズ川の河口に建設する構想のフロート空港

英ロンドンから東に約48キロ離れたテムズ川の河口に建設する構想のフロート空港

(CNN) 空港を建設するには広い空間が必要だ。しかし、島しょ部や都市部など航空便の中継地点が最も必要とされる場所ではなかなかスペースが確保できない。こうした問題を解決すべく、海上に空港を浮かべるフロート(浮体式)空港の構想が進んでいる。

浮体式の空港に近い例としては、空母が浮体甲板を備えている。ただ、空母は機動性や高速での航行を求められる軍艦でもあり、甲板も商用機が発着するには狭すぎる。

だがこの浮体甲板の考え方をさらに押し進めてみよう。空母から機関部や下層甲板を取り除いたうえで一定の場所に固定し、中型の航空機が着陸できるだけの長さと幅を持たせれば、船でも島でもない巨大な浮体式の構造に行き着く。

これがフロート空港だ。

こうした発想は以前にもあった。英国は第2次世界大戦中、大西洋を航行する通商船団を保護するため、氷山の上に滑走路を建設する案を検討した。このプロジェクトは実現しなかったが、フロート空港という発想は残った。

1995年には日本の民間企業17社が共同でメガフロート技術研究組合を設立。フロート空港を設計し実際にテストするのが狙いだった。実験が成功すれば東京湾にフロート空港を設置することも視野に入れるなど、この種の試みとしては今日に至るまで最も野心的なもののひとつだ。

この中で、1000メートル級の滑走路を備えた縮小型のモデルは実際に建設された。一連のテストにより、メガフロートが航空機の運航に適していることも実証されている。ただ、プロジェクトはこれ以上の進展を見ることなく、海上滑走路も後に取り壊された。

米カリフォルニア州サンディエゴでも似たような提案が持ち上がったことがある。

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