海に浮かぶ「フロート空港」 実現の可能性は?

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航空技術者テリー・ドリンカード氏考案のフロート空港。これは深海石油掘削リグの建設ですでに試験済みの技術や材料に数多く取り込んでいる

航空技術者テリー・ドリンカード氏考案のフロート空港。これは深海石油掘削リグの建設ですでに試験済みの技術や材料に数多く取り込んでいる

同州のポイントロマ沖の海上に滑走路2本を持つ新国際空港を建設しようとしたもので、2社がそれぞれ提案を出した。

ただ総工費が高すぎたことや、海上フロート空港が技術的に可能なのか疑念を払拭(ふっしょく)し切れなかったこともあり、いずれのプロジェクトも実現しなかった。

サンディエゴのプロジェクトと若干似ているのが、米国人航空技術者テリー・ドリンカード氏の考案したフロート空港の構想だ。これは深海石油掘削リグの建設ですでに試験済みの技術や材料に大きく依拠している。

同氏の構想は海上に本格的な「空港都市」を建設するというもの。中型の航空機の発着を可能にするほか、再生エネルギー技術の実験や養殖など、あらゆる経済活動や研究を行える場にするのが狙いだ。港湾や海洋レクリエーションとしての役割も果たす見通し。

電力は波力発電や太陽発電によりまかなう計画。また水深ごとの温度差を利用して発電する海洋熱エネルギー変換技術も取り入れるなど、エネルギー面での自給自足を目指す。

複数のフロート空港をつなげることにより大西洋を横断するという大胆な発想も再び脚光を浴びている。もともとは1930年に米技術誌「ポピュラーメカニクス」の記事で提唱されていた案だ。

実現すれば、規制当局よる高額なETOPS(双発機による長距離進出運航)の認可を取得しなくても、小型機を含むあらゆる航空機が大西洋を横断できるようになる見通しだ。

ただ、現実的にみてフロート空港が実現する可能性が最も高い地域はカリブ海かもしれない。

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