サイバー攻撃の被害、150カ国で20万件 週明けさらに拡大の恐れ
ニューヨーク(CNNMoney) 世界各国を襲った過去最大規模のサイバー攻撃は、これまでに150カ国で20万件あまりの被害が確認された。週明けの15日は世界中でさらに被害が拡大する恐れもあり、当局や専門家が警戒を呼びかけている。
コンピューターウイルスの「ランサム(身代金)ウェア」を使った攻撃は12日から始まった。同ウイルスに感染すると、コンピューターが使えない状態に陥り、復旧したければ身代金を払えと要求される。
今回の攻撃では、マイクロソフトのOS「ウィンドウズ」の旧バージョンに存在する脆弱(ぜいじゃく)性が悪用された。ウィンドウズの自動更新を有効にしていない企業では、特に大きな問題が生じかねない。
欧州刑事警察機構(ユーロポール)によると、これまでに英国、中国、ロシア、ドイツ、スペインの病院や大学、メーカー、政府機関などで被害が確認された。
ウイルスの拡散は英国のセキュリティー研究者が阻止したものの、新しいバージョンのウイルスが出現して、対策機関が対応に追われている状況だ。
ユーロポールのロブ・ウェインライト長官は14日、CNNの取材に対し、「復元ツールはいずれ開発できる。だが現時点ではまだ現実の脅威であり、我々は災害復旧モードにある」と語った。
ウイルスについてはまだ解析を進めている段階で、攻撃に関与した人物や集団は特定できていないという。
サイバーセキュリティ―企業のバッファゾーンによると、ランサムウェアの中でも特に悪質性の高いものは、1台のコンピューターに感染すると、「数秒以内に」そのネットワークに接続する全コンピューターに感染を広げる可能性がある。