AIを使って自殺予防、フェイスブックが取り組み拡大
サンフランシスコ(CNNMoney) 米フェイスブックは27日、投稿者が自殺を図る兆候を人工知能(AI)で察知し、必要に応じて介入する取り組みを世界規模で開始すると発表した。
投稿された文章やライブ配信を含む動画から、AIが自殺の兆候を自動的に抽出し、緊急性を判断。優先順位に従って担当チームが分析する。
チームがただちに介入するべきだと判断した場合は、救急出動を要請したり、メッセンジャー機能を通して投稿者に相談窓口のリンクを送ったりすることもあり得る。
フェイスブックは今年3月、米国内で文章の書き込みだけを対象に、AIを活用した試験的な自殺予防の取り組みを始めていた。
これを動画にも適用し、さらに世界規模に拡大する。ただし、欧州連合(EU)はデータのプライバシーに関する独自の規制があるため、対象から除外された。
フェイスブックによると、AIは本人の投稿に自殺や自傷行為を示唆する言葉が入っているかどうかだけでなく、周囲からのコメントに登場する「大丈夫?」「何かできることは?」といった言葉にも着目する。
フェイスブックは最近、利用者が自殺の場面などをライブ配信するケースなどをめぐって批判を受けてきた。同社幹部によると、AIを使ったこれまでの試験運用は一定の成功を収めているという。