超電導リニア運行へ、日本は鉄道分野の名声を取り戻せるか
(CNN) 東海道新幹線が開業した1964年は、日本が世界に新技術を披露する絶好のタイミングだった。
この年、東京では夏季オリンピックが開催され、世界の注目が日本に集まる中で、世界初の商用超高速鉄道である新幹線が初披露された。
そして2020年には東京で再び夏季オリンピックが開催される。仮に今、「たしか前にも同じようなことがあった」と感じるなら、それは日本が再び鉄道の記録を次々と塗り替えているからだ。
2015年に日本の超電導リニア車両が、山梨県で行われた有人走行試験で世界最速となる時速603キロを記録した。その前の週に自ら出した世界記録(時速590キロ)をあっさりと塗り替えた。
2027年開業予定のリニア中央新幹線は、東京―名古屋間をわずか40分で結ぶ見通しだ。飛行機に乗る際に空港でかかる時間を考えれば、間違いなくリニア中央新幹線の方が飛行機よりも早いだろう。また開業当初は名古屋までだが、後に大阪まで延長する計画もある。
では、2020年の東京オリンピック開催時の画期的な高速鉄道技術である超電導リニアと、1964年の東京オリンピックに向けて発表された新幹線の共通点、相違点は何か。
まず両者に共通しているのは、どちらも背景にやや政治的思惑があるという点だ。
東京―新大阪間を結ぶ日本初の高速鉄道である東海道新幹線は、単に国内輸送の向上を目的に建設されたわけではない。