アップルのクック氏とフェイスブックのザッカーバーグ氏、無料サービス巡り論戦
ロンドン(CNNMoney) 米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)と、米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが、ユーザーの個人情報利用を巡って論戦を展開している。ザッカーバーグCEOは、2日の「ボックス」に掲載されたインタビューの中で、アップルの主張は事実無根だと反論した。
アップルのクックCEOはこれに先立つインタビューで、フェイスブックのようなSNSに対する規制強化を呼びかけ、無料サービスがユーザーの個人情報を売り物にして、特定層にターゲットを絞った広告を掲載させていることに対して疑問を突き付けた。
これに対してザッカーバーグ氏は、「金を払っていない相手のことを、我々が気にするはずがない、という理屈はあまりに言い過ぎだ。事実に全然即していない」と反論。
「世界中の全ての人がつながるのを助けるサービスを構築したいと思っても、現実にはお金を払えない人がたくさんいる」「そうしたサービスを支えられる合理的なモデルは、広告に支えられたモデルしかない」と訴えた。
フェイスブックを巡っては、2016年の米大統領選挙でトランプ氏の陣営にかかわった英データ企業ケンブリッジ・アナリティカが、フェイスブック利用者のデータを不正に利用した問題が発覚し、ザッカーバーグ氏は批判の矢面に立たされている。
アップルのクック氏はこの問題について、MSNBCなどの取材に対し、「もし我々がユーザーで金もうけをしていれば、もしユーザーが我々の製品だったとしたら、莫大な利益が出ていただろう」「だが我々はそうしないことを選んだ」と語っていた。
さらに、「ユーザーからもっとお金を取ろうと熱心に働く企業の方が、ユーザーのことを考えてくれていると思わされないことが大切だ」と言い添えている。
アップルの経営は、iPhoneやMacといったハードウエアの販売に支えられている。一方、フェイスブックは、ユーザーが提供する情報に基づき、ターゲットを絞った広告を販売して収益につなげている。