仮想通貨で制裁回避、北朝鮮に方法指南か 米研究者が起訴され出廷
アトランタ(CNN Business) 経済制裁下の北朝鮮に仮想通貨を使った制裁回避の方法を指南したとして、シンガポール在住の米研究者が起訴され、2日にロサンゼルスの連邦地裁へ出廷した。
スイスの仮想通貨大手、イーサリアム財団に所属する研究者のバージル・グリフィス被告(36)は先月、米ロサンゼルス国際空港で逮捕され、29日に起訴状が公開されていた。
起訴状によるとグリフィス被告は、米国民が財務省の許可なく外国に製品やサービス、技術を輸出することを禁止する国際緊急経済権限法(IEEPA)に違反した罪に問われている。
被告は今年4月、米国務省の許可を得られないまま中国経由で北朝鮮へ渡航し、仮想通貨やその基幹技術であるブロックチェーンに関する会議に出席。北朝鮮にとってブロックチェーン技術がどのように役立つかを、プレゼンテーションで説明した。
また会議の後、対北制裁に違反することを知りながら、仮想通貨を使った韓国との取引をほう助する計画の立案に着手していた。
さらに自ら米国の市民権を放棄すると表明し、ほかの米国人にも北朝鮮への渡航を勧めたとされる。
米連邦捜査局(FBI)当局者は、北朝鮮の制裁逃れを容認するわけにはいかないと強調。米国民が敵対国に加担したとされるのは言語道断だと述べた。
グリフィス被告の弁護士は2日の公判の後、起訴状の内容を否定する立場を示し、被告が保釈されたことを明らかにした。
検察によると、被告はIEEPA違反で有罪となった場合、最大で禁錮20年の刑を言い渡される可能性がある。