出入国審査で顔認証、米国民も対象に 米国土安全保障省が提案
サンフランシスコ(CNN Business) 米国土安全保障省が、顔認識技術を使って米国の出入国者全員の本人確認を義務付ける措置を提案した。今回は外国人だけでなく、米国民も対象としている。
同省がこのほど提出した規定改訂の提案は、米国民を含む旅行者全員に対し、米国の出入国時に空港などでの写真撮影を義務付ける内容。
同省の出入国政策担当局長はCNN Businessの取材に対し、提案は最終段階にあるとした上で、施行されるのは、パブリックコメント期間を経た後になる予定だと説明している。
写真やビデオに映った人物の画像をデータベースに登録された画像と照らし合わせる顔認証技術は、各国の政府や航空会社が保安検査の目的で導入を進める中、世界中の空港などで一般的になりつつある。
米政府は20年ほど前から顔認識技術を採用していたが、最近になって生体認証を使った搭乗手続きが強化され、米国籍を持たない旅行者が米国に入国する際は、写真撮影と指紋スキャンが義務付けられるようになった。
国土安全保障省は規定改訂の目的について、犯罪者の発見と旅券などの偽造を防ぐためと説明している。
これに対して米自由人権協会は2日、今回の提案について、米国民はそうした監視の対象にならないとしていた税関・国境警備局(CBP)の従来の立場と矛盾すると指摘した。