歩きスマホ、文字入力は特に危険 カナダの研究チーム
(CNN) 歩きながらスマートフォンを操作する「歩きスマホ」は、文字の入力が特に危険だとする研究結果が新たに報告された。
カナダ・カルガリー大学の研究チームが歩行者の事故に関する14件の研究データを分析し、外傷予防の専門誌「インジュリー・プリベンション」の最新号に結果を報告した。
それによると、スマホで文字入力中の歩行者は通常の状態に比べてぶつかりそうになったり、道路を横断する時に左右を確認しなかったりする確率が高くなることが分かった。
一方で通話中の歩行者は、道路を安全に渡るのにかかる時間がわずかに長くなっていた。音楽を聴きながら歩いていたケースでは、安全上の目立った影響はみられなかった。
研究チームによると、世界で死亡する歩行者は毎年計27万人に上り、道路交通事故による死者全体の5分の1を占めている。
チームは論文の中で、スマホやソーシャルメディア、アプリ、デジタル動画、音楽ストリーミングが普及し、日常生活のあらゆる場面に浸透していると指摘。歩行中や道路横断中の不注意は、今後も交通安全対策の課題であり続けると強調した。
そのうえで、歩行中の不注意によるリスクは子どもや若者のほうが高いのか、高齢者が車との事故に巻き込まれるリスクはどうかなど、さらに研究が必要な分野を挙げている。
不注意による交通事故をめぐっては昨年12月、米国内の救急データを分析した研究で、頭部や首のけががここ20年で急増し、その大半は若者が運転中や歩行中に携帯電話への入力などで注意力が落ちていたケースだったと報告された。