豪州で大規模サイバー攻撃、関係悪化の中国関与の見方も

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豪州へのサイバー攻撃について、国家に属する実行犯によるものと述べたモリソン首相/Sam Mooy/Getty Images AsiaPac/Getty Images

豪州へのサイバー攻撃について、国家に属する実行犯によるものと述べたモリソン首相/Sam Mooy/Getty Images AsiaPac/Getty Images

シドニー/香港(CNN Business) オーストラリアのモリソン首相は19日、「国家を拠点にする悪意ある巧妙な手口を持つ実行犯」による大規模なサイバー攻撃が豪州国内の広範囲な分野で起きており、政府が対処していることを明らかにした。

記者会見で、全てのレベルの政府機関や民間企業、教育や公衆衛生、重要なインフラの事業者などが標的になっているとした。攻撃にさらされたこれら機関や企業などの詳細や攻撃の形態には触れなかった。政府調査で大がかりな個人データの流出は一切見つかっていないともした。

攻撃の背後にいるとみられる国家には言及しなかった。ただ、この種の攻撃を仕掛けられる国家は多くないと指摘。「攻撃が相当な水準の能力を持つ国家に属する実行犯によるものであることは明白」とも主張した。

今回の攻撃の規模や時期を踏まえ、中国の関与を疑う見方も出ている。モリソン首相は記者団に中国の仕業かと問われ、「臆測を制御することは出来ないだろう」と述べた。

豪州戦略政策研究所の幹部は「中国が仕掛けている可能性は95%」と分析した。

豪中関係はここ数カ月間、悪化している。豪州が新型コロナウイルスの感染拡大で中国の初期対応を非難し、感染源の国際的な調査を要求したことなどが原因となっている。中国はこの要求に呼応するかのように豪州産牛肉や大麦の輸入関税を上乗せする報復措置も講じた。

モリソン首相は会見で、サイバー攻撃自体は目新しいものではなく、豪州が常に対応を迫られる問題になっていると説明。その上で頻度がここ数カ月間高まっているため今回の攻撃を公表したと述べた。

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