絶滅危惧の夜行性インコ、暗視能力はいまひとつ?
(CNN) 絶滅の危機にある夜行性のヒメフクロウインコについて、暗闇の中でものを見る能力は高くないとする研究結果が発表された。
豪フリンダース大学のベラ・ワイズベッカー准教授らの研究チームが9日、オンライン科学誌サイエンティフィック・リポーツに報告した。
ヒメフクロウインコは豪内陸部に生息する夜行性の鳥。チームは完全な形で残っているただ一つの頭部をCTスキャンで調べ、同じ系統の鳥と比較した。
その結果、ヒメフクロウインコの目はほかのインコと似たような大きさで、視神経や視覚に関連する中枢はむしろ小さく、暗視に適しているとはいえないことが分かった。
目の解像度も低いため、豪内陸部の砂漠地帯で家畜の囲いによく使われる金網と、天敵の動物を見分けることができないという。
夜行性に適応した暗視能力を持たないことが、絶滅の危機に陥った原因の一つとも考えられる。
研究者らはヒメフクロウインコを保護するために、金網を見えやすくしたり、不要な場合は撤去したり、低電圧の電気柵に取り替えたりする対策が必要だと指摘している。
ヒメフクロウインコは1845年に発見されたが、1912年以降は目撃情報がなく、一時は絶滅したと考えられていた。しかし90年、トラックにぶつかったとみられる死がいが路肩で見つかり、これが今回の研究に使われた。
その後、2013年に生きた姿が初めて確認されたが、生息数は今も不明のままだ。