インドでバッタ大量発生 約30年ぶりの規模
ニューデリー(CNN) 新型コロナウイルス感染拡大との闘いが続くインドで、バッタが約30年ぶりの規模で大量発生し、農務当局が対応に追われている。
国連食糧農業機関(FAO)によると、大量発生しているのはバッタの中でも移動や繁殖が早く、特に大きな被害をもたらすサバクトビバッタという種類。成虫は1日に最長150キロの距離を飛び、その間に2グラム前後の体重と同じ量の野菜などを食べる。
群れは1キロ~数キロ四方の規模で、1キロ四方の成虫の数は8000万匹にも達する。
5月20日にインドとバングラデシュを襲った超大型サイクロンの後、西風に乗って繁殖地のパキスタンからインド北西部ラジャスタン州に入ったとされる。さらに首都ニューデリーに接するウッタルプラデシュ州など5州に広がっている。
東部ジャルカンド州でも31日、全域の農家に注意喚起の通知が出た。群れを追い払うには火をたいたり、爆竹や太鼓などで大きな音を立てたりすれば効果があるとの内容だ。ニューデリー当局もバッタ襲来への準備態勢を呼び掛けている。
ラジャスタン州では長さ7キロ、幅1.5キロほどの区域がバッタに覆われ、トラクター100台と消防車20台を使って水と農薬をまく作戦を連日展開。中央政府から提供された無人機を使った農薬散布も行われ、7割前後のバッタを駆逐したという。
同州ではちょうど春の収穫が終わり、雨季に入る前の端境期だったため、農作物への被害は小さかった。
だがFAOによると、いったん東へ移動した群れが季節風の変化で再び同州へ戻るなど、7月にかけて何度か波が来ることが予想される。