産卵のため集まった6万匹のウミガメ、ドローンで撮影に成功 豪
(CNN) オーストラリア北東部にある世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフで、産卵のために何万匹ものアオウミガメが集まっている様子がドローンを使って撮影された。
ウミガメの映像は、クイーンズランド州環境科学局の調査団が、世界最大のアオウミガメ営巣地として知られるグレートバリアリーフのレイン島で撮影した。
アオウミガメは主に熱帯と亜熱帯の海に生息し、孵化(ふか)してから約35年後に、餌場から長距離を移動して生まれた場所に戻ってくる。しかし乱獲や産卵地の喪失、漁網に絡まるなどして個体数が激減し、絶滅の危機にさらされている。
調査団によると、レイン島には大量のウミガメが集まっていたにもかかわらず、カメががけから落ちたり、熱波で動けなくなったり、巣が水没したりして、予想したほどは繁殖できていないことが分かった。
そこでカメたちを保護する対策を講じた後、昨年12月に生息数の調査を実施し、4日の科学誌プロス・ワンに発表した。
アオウミガメは乱獲や漁網に絡まるなどして個体数が激減している/Christian Miller
当初はカメの甲羅に毒性のない白いペンキを塗り、小型ボートから観察して個体数を数えようとしたものの、この方法では正確な集計ができないことが判明。そこでドローンを使って上空から撮影し、産卵のために集まってきてレイン島に上陸しようとする6万4000匹あまりのウミガメを撮影することに成功した。
今回の調査結果をもとに、ウミガメについての理解を深め、個体数管理に役立てる計画。いずれ人工知能(AI)を使ってビデオ映像から自動的に個体数を割り出すことができるようになると予想している。