ズーム、無料ユーザーにもエンドツーエンド暗号化を提供へ
サンフランシスコ(CNN Business) ウェブ会議システムの「ズーム」がエンドツーエンドの暗号化を無料ユーザーにも提供することがわかった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ズームの利用が急速に増えるなか、プライバシーや安全性について懸念する声があがっていた。
ズームは来月からユーザーに対してエンドツーエンド暗号化のベータ版の提供を開始する。有償のユーザーに対してだけ、より高度な安全性を提供するとの方針を撤回した形となる。
エンドツーエンド暗号化技術は、オンライン上の通信において最も通信内容の非公開につながる方法の一つとみられている。
ズームのエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)はブログへの投稿で、今回の決定について、すべての利用者におけるプライバシーに対する正当な権利と我々のプラットフォーム上の安全性との間のバランスを前進させる方策を見出したと述べた。
ユアン氏はこれより前、エンドツーエンド暗号化について、ズームを悪意ある目的のために利用する人たちに対する米連邦捜査局(FBI)など法執行機関との協力を理由に、無料ユーザーに提供しないとの方針を明らかにして批判を浴びていた。
暗号化技術については、アップルやフェイスブックがプラットフォームへのアクセスを求める要請を拒否するなどしており、IT企業と法執行機関との間で長期間にわたって障害となっている。
ズームは無料ユーザーへのエンドツーエンド暗号化技術の提供に伴い、アカウントの認証に向けてユーザーに対し電話番号などの追加情報を求める見通し。