米国のコロナ検査、「全くの無駄」とビル・ゲイツ氏 結果報告の遅さ理由に
(CNN) 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は30日までに、CNBCのインタビューに答え、新型コロナウイルスの検査の大半について「全くの無駄だ」との見解を示した。結果を知らされるまでに時間がかかりすぎるのがその理由だとしている。
ゲイツ氏は28日のインタビューで、早く結果が分かれば行動を変えて他人にうつさないようにすることができると指摘する一方、結果が届くまでに48時間以上かかる検査にコストをかけるべきではないと述べた。
そのうえで「そうした検査は全くの無駄だ。我が国の検査件数として出されるあらゆる数字のうち、大半は全くの無駄としか言いようがない」と強調。結果が分かるまで3日から1週間もかかる検査に金を払うのは「狂気の沙汰だ」と付け加えた。
感染拡大の初期段階において、米国では全国規模での検査の拡充がなかなか進まなかった。専門家らは、検査結果の報告に時間がかかる現状により、感染抑止の取り組みが阻害されているとの認識を示す。
保健社会福祉省のブレット・ギロイル次官補はCNNの取材に対し、24時間以内に検査結果が確認できる仕組みや臨床現場での即時検査がどこでも行える体制の整備といった改善策が求められると語った。
同氏によれば、国内の検査の半数は大規模な民間の試験所が実施しており、結果の通知まで平均4.27日かかるという。
新型コロナに関する追跡調査を手掛けるプロジェクトによると、米国が今月28日に行った検査件数は73万3243件で、4月終わりごろと比較すると3倍近くに増加した。
ゲイツ氏は新型コロナの治療とワクチン研究のため、妻のメリンダさんと創設した慈善財団を通じ、巨額の資金を寄付している。