ツイッター、黒人のトランプ支持者装うアカウントを停止
(CNN) ツイッターはこのほど、黒人を装ってトランプ米大統領への支持を表明する虚偽のアカウントを多数停止した。これらのアカウントの多くは、同一のフレーズで自身が黒人であること、来月の大統領選でトランプ氏に投票するつもりであることを強調している。
ツイッターの広報担当者はCNNの取材に答え、停止したアカウントについて、プラットフォームの操作やスパム行為への対策として定めたルールに違反していると指摘。これらのルールは、ツイートによって「情報を人為的に膨らませたりもみ消したりすること」を禁じている。
CNNでビジネス担当シニアライターを務めるドニー・オサリバン氏によると、これらのアカウントを誰が、どのような目的で作ったのかは明らかになっていない。停止されたアカウントの数も不明で、現在CNNからツイッター宛てに確認を取っている。
停止されたアカウントの1つはユーザー名が「ゲイリー・レイ」となっているが、本人に関する情報は少ない。所在地はデトロイトで、ツイッターは8月から始めたことになっている。プロフィル写真には白黒の顔写真が使われている。
このアカウントでは10回のツイートのうち少なくとも2回で、自らが黒人であること、来月の大統領選でトランプ氏に投票するつもりであることを誇らしげに宣言している。
実際には「ゲイリー・レイ」なる人物は存在しない。プロフィル写真はロバート・ウィリアムズさんという別人のもので、本人はCNNが連絡を取るまで同アカウントに写真を使われたことを知らなかった。
当該の写真は8月、米紙ニューヨーク・タイムズに掲載されたものだった。同紙はウィリアムズさんが事実ではない窃盗の容疑でデトロイト警察によって逮捕された件について報じていた。
ウィリアムズさんはCNNの取材に対し、写真を使用されたと知って「ショックを受けた」「妙な方法で人々をミスリードしようとするものだと思った」と語った。
前出のオサリバン氏らによると、停止されたいくつかのアカウントについてはそれぞれのユーザーに共通の特徴がみられた。最近になってツイッターを始めていること、ハンドルネームに「MAGA」や「KAG」などトランプ陣営のスローガンを表す略語が含まれていること、プロフィル写真はたいていストックされた黒人男女の画像を使用していること、などだ。
ウィリアムズさんの写真は、「黒人」のワードによってネット上の画像から検索することが可能だった。
今週停止された「ゲイリー・レイ」のアカウントには、数百の「いいね」が付き、フォロワーは400人近くに達した。ウィリアムズさん自身は、そこで唱えられている政治的見解には同意しないとし、「ドナルド・トランプを支持するつもりなど全くない。ありえない」と強調した。