フランス、IT大手に「デジタル税」の支払い要請 米が報復か
ロンドン(CNN Business) フランスがIT企業大手に対してデジタルサービス税の支払いを求める意向であることがわかった。こうした動きは米国のトランプ大統領からの報復や次期政権との間の新たな貿易摩擦に発展する可能性が高い。
フランスでは昨年、デジタルサービスの売り上げに対して3%の課税を行う税制が導入された。しかし、フランス政府は、経済協力開発機構(OECD)が示した世界規模での税制の広範囲な見直しについて協議を行う間、デジタル税の徴収を延期していた。協議では大きな進展は生まれていない。
フランス財務省は25日、企業が今年の納税通知書を受け取ったと述べた。支払いを求められるIT企業の中には米国のグーグルやフェイスブック、アマゾンなどが含まれている。デジタル税は全世界での売り上げが7億5000万ユーロ(約932億円)の企業に適用される。
トランプ政権は、フランスがデジタル税の徴収に動けば報復すると明らかにしており、早ければ来年1月6日にも13億ドル規模のフランス製品に対して報復関税が課される可能性がある。
フランスによるデジタル税の徴収は米国の次期政権を難しい立場に追い込むことになるかもしれない。米大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領は主要同盟国との関係の再構築を約束しているが、民主党員からはかつて、こうしたデジタル税は米国の企業を不当に標的にしたものだとして反対する姿勢が出ていた。