ジャック・マー氏はどこに? 中国アリババに当局の圧力、10月以来姿見せず
香港・東京(CNN Business) ジャック・マー(馬雲)氏のビジネスが今、とてつもない圧力にさらされている。中国のネット最大手アリババグループを創業して巨大帝国を築き上げ、多大な成功を収めた億万長者の起業家。ところがそのマー氏が、昨年10月下旬以来、公の場に姿を見せなくなった。
アリババ系列の金融企業アント・グループの新規株式公開(IPO)は昨年、直前になって中国の規制当局に阻止された。マー氏はその1週間ほど前の10月下旬を最後に、公の場に姿を見せることも、ソーシャルメディアに投稿することもなくなった。
世界最大規模のIPOに向けて準備を進めていたアントは事業の大幅な再編を命じられた。中国の規制当局は、同社が競合他社を市場から締め出し、消費者の権利を侵害したとして非難した。
一方アリババは、独占的な行為があったとして中国で調査の対象になっている。米紙ウォールストリート・ジャーナルは先週、中国政府がマー氏の帝国を縮小させようとしており、マー氏関連の企業への出資を増やす可能性があると伝えた。
英紙フィナンシャル・タイムズによれば、マー氏は自ら制作にかかわったアフリカの人材発掘番組にも出演しなかった。11月に収録された同番組の最終回では、審査員を務めていたマー氏が別の人物に入れ替えられていたという。
10月12日の時点でマー氏は、最終選考まで勝ち残った出演者に11月14日の最終回で会うのを楽しみにしていると述べていた。
番組の最終回にマー氏が出演しなかった理由についてアリババは4日、CNN Businessの取材に対し「スケジュールの衝突があった」と説明。同氏の居所についてはコメントを避けた。