北朝鮮のハッカー軍団が核開発の資金稼ぎか 国連報告書
ニューヨーク(CNN) 北朝鮮のハッカー軍団が核兵器開発の資金として、昨年1年間を通し何億ドルも稼いでいたとする国連報告書の内容が明らかになった。
報告書は北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視する国連の専門家パネルが国連加盟国や情報機関、報道機関や脱北者らから情報を集め、約半年ごとにまとめている。最新版の内容は未公開だが、CNNが国連安全保障理事会の匿名の外交筋から文書の一部を入手した。
それによると、金正恩(キムジョンウン)総書記が兵器開発や経済立て直しのため、金融機関や仮想通貨取引所を狙った作戦を指揮している。ある国連加盟国によれば、北朝鮮のハッカーが2019年から昨年11月までの間に盗んだ仮想通貨は、総額3億1640万ドル(約331億円)相当に上る。
報告書はある国の見解として、北朝鮮があらゆる射程の弾道ミサイルにも核弾頭を搭載できる可能性は「非常に高い」ものの、大気圏再突入の技術を確保したかどうかは分からないと指摘している。
また、北朝鮮が新型コロナウイルス感染拡大を阻止しようと国境を封鎖して、中国との貿易もほぼ停止したために経済崩壊の瀬戸際に近づき、ハッカー軍団への依存をさらに強めている可能性もあるとした。
さらに複数の国からの情報として、北朝鮮とイランが長距離ミサイル開発をめぐり、部品供給などの協力関係を強めているとも報告している。
この報告書がいつ公開されるかは不明。過去には事前のリークに安保理常任理事国の中国やロシアが激怒し、外交問題に発展したケースもある。