「ワクチン」や偽の接種証明書、ダークウェブで闇取引
(CNN Business) 新型コロナウイルスの「ワクチン」や偽の接種証明書が、インターネット上でひそかに売買されていることが分かった。
サイバーセキュリティー大手のチェック・ポイント・ソフトウェアが23日に発表した報告書によると、一般的なブラウザーではアクセスできない「ダークウェブ」で、アストラゼネカ製やジョンソン・エンド・ジョンソン製をうたうワクチンが1回分最高1000ドル(約11万円)、偽造されたワクチン接種証明書少なくとも20点が1枚200ドルで売買されている。
ダークウェブはサイバー犯罪の温床とされ、クレジットカード番号や薬物、サイバー兵器などの違法取引が横行している。
チェック・ポイントの報道担当者がCNN Businessに語ったところによると、ワクチンが偽物かどうかは不明だが、パッケージや添付文書の画像を見る限り本物のように見える。ダークウェブ上に流れるワクチンの広告は、この3か月で4倍に増えたという。
接種証明書は、買い手が名前や掲載してほしい日付を知らせると、それに合わせて印刷される仕組み。上部の右端に米疾病対策センター(CDC)のロゴを配した、本物そっくりのカードだ。飛行機の搭乗や国境通過、就職などに必要な人向けとして販売されている。
同担当者によれば、売り主は注文に応じ、数千枚単位でカードを偽造することができるとみられる。
このほかに新型ウイルス検査の陰性証明書が25ドルで売られ、「2枚買えば1枚無料」の特典も提供されていた。
米当局はワクチン接種を受けた人々に対し、証明書の画像をソーシャルメディアに投稿すると個人情報を盗まれたり、詐欺メールの被害に遭ったりする恐れがあると警告を発している。