米フェイスブック、社名を「メタ」に変更
(CNN Business) 米フェイスブックは28日、社名を「メタ」に変更すると発表した。同社は仮想現実空間「メタバース」に軸足を移しつつあるほか、内部告発者による大量の社内文書流出により同社の各種プラットフォームの現実世界での有害性に厳しい視線を向けられている。
社名変更は創業者のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が発表した。SNSのフェイスブックは会社全体のブランドではなく、インスタグラムや「ワッツアップ」と並ぶ子会社のひとつに過ぎなくなる。
同社は声明で、12月1日からは「MVRS」の銘柄コードで株式の取引が行われる予定だとも明らかにした。
社名変更はフェイスブックの評判を一新しようとする取り組みの一環の可能性がある。プラットフォーム上での誤情報の拡散、コンテンツ管理の失敗、同社製品が一部のユーザーの精神衛生に与える悪影響の暴露など、相次ぐ問題の報道を受け、仕切り直しを図る狙いがあるとみられる。
社名変更はメタバースに注力する同社の方針とも一致する。メタバースの言葉は、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を新たなオンライン領域の中で組み合わせようとする取り組みを指す。
ザッカーバーグ氏はこの日、「次の章を始めるに当たり、私は当社のアイデンティティーについて熟考してきた」と説明。「フェイスブックは象徴的なSNSブランドだが、当社のすべての取り組みを包含する言葉ではなくなりつつある」と語った。
そのうえで「現在、当社はSNS企業とみられているが、DNAの部分では人々をつなげる技術を構築する会社だ。創業時にSNSがそうであったように、メタバースは次のフロンティアになる」としている。