フェイスブックに反ワクチンの有料広告 米政府をナチスに例える
ニューヨーク(CNN Business) 新型コロナウイルスワクチンの接種に反対し、米政府の対応を第2次世界大戦中のナチスドイツに例える有料広告が、フェイスブックに掲載された。
問題の広告は11月29日に流れた。「私はもともと米国人だが、今は1941年のドイツに住んでいる」と書かれたトレーナーの宣伝だ。このほか、ワクチン接種をホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に例えた内容の広告もあった。
広告を出したのは、フェイスブック上の「ライド・ザ・レッド・ウェーブ」というページ。CNNのデータによると、同ページは今年5月以降、フェイスブックの広告に計28万ドル(約3200万円)を費やしてきた。広告は米国人数百万人の目に触れた可能性がある。
別の企業が運営する「ネクスト・レベル・グッズ」というページも2019年以降、フェイスブックに総額50万ドルの広告を流し、反ワクチンのメッセージをプリントしたTシャツなどを宣伝してきた。
8月末に売り出されたTシャツには、「毒」に侵されていないことが誇りだというメッセージが注射器のイラストとともにプリントされていた。フェイスブックはこれまでに同企業から約2500ドルの広告料を受け取り、約45万人のユーザーに反ワクチン広告を表示していた。
フェイスブックの親会社メタの報道担当者はこのような広告について、ワクチンに関する誤情報を取り締まる同社の規定に違反していると述べた。問題の広告は、取り締まりの目をくぐり抜けたことになる。
専門家によると、フェイスブックは全ての有料広告を手作業でチェックしているわけではない。またTシャツのような商品を宣伝する広告は、政治活動団体の広告に比べてチェックが緩い傾向があるという。