ウクライナ政府のサイトがダウン、前日にも複数のサイバー攻撃
(CNN) ウクライナの政府機関のウェブサイトが24日未明にダウンした。この数時間前にはウクライナでデータ消去のハッキングツールが数百台のコンピューターから見つかったと、サイバーセキュリティーの専門家らが伝えている。
ロシア軍がウクライナ東部の親ロ派支配地域へ進攻する中で、破壊的なサイバー攻撃の懸念が強まっている。
24日未明にダウンしたのは同国内閣、外務省、インフラ省、教育省などのサイト。前日の23日には、ウクライナ議会などのウェブサイトに対して別のサイバー攻撃が仕掛けられていた。
現時点で一連のハッキング事件の背後関係は分かっていない。CNNはウクライナ政府にコメントを求めたが、今のところ返答はない。
すべての事件で、「ワイパー」と呼ばれるマルウェア(悪質コード)が大きな影響を与えている可能性がある。このマルウェアは一般的に、コンピューターのデータを消去して使用不能にする目的で利用される。
米セキュリティー企業マンディアントの専門家は「ウクライナで今日、複数の民間および政府機関がこの破壊的なマルウェアの影響を受けた」とCNNに語った。
米ブロードコムのセキュリティー部門シマンテックによれば、今回のハッキングではウクライナの金融機関少なくとも1社と、ラトビアにあるウクライナ政府の業務請負業者1社が被害に遭った。
ウクライナに顧客をもつセキュリティー企業ESETによれば、悪質コードはウクライナの「大規模組織」に影響を及ぼした。ハッキングツールが開発されたのは2カ月前だったと思われるが、仕掛けられたのは23日で、ウクライナでしか見つかっていないという。
米当局者は、ロシアがウクライナでの軍事行動と並行してサイバー作戦を展開する公算が大きいとみて警戒を強めている。ホワイトハウスはウクライナのウェブサイトに対する先週のサイバー攻撃について、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)を名指しで非難していた。