SNSにあふれる戦地の映像、CNNの検証手順を担当者が解説
ニューヨーク(CNN) ロシアのウクライナ侵攻について伝えるCNNの報道の中で、SNSに投稿された動画は重要な役割を果たしている。だがその信憑(しんぴょう)性についてはどうやって判断しているのか。
例えばCNNの調査チームが2月下旬に発見した映像。ロシアのヘリコプターが、ウクライナの首都キエフからわずか数キロの地点で立ち上る煙の上を低空飛行していた。
だがロシア軍がキエフにそれほど迫っていることは、まだ確認できていなかった。CNNは「ジオロケーション」と呼ばれる位置特定の手順を通じ、映像の撮影日時や信憑性を確認する必要があった。
ケイト・ポルグレス調査研究員は6日、CNNの番組内で、検証手順について説明した。この手順は、グーグルの地球儀サービス「グーグルアース」とロシア検索エンジンの同様のサービスを使い、似たような画像を探すリバース画像検索から始まる。同チームは空港と周辺地域に照準を絞り込むと、問題の映像の中の画像と一致しそうな場所を探し始めた。
「位置を突き止めるためにパノラマと呼ばれる操作を行い、問題の映像からさまざまなスクリーンショットを作成した」とポルグレス氏は説明する。
このスクリーンショットには、黄色いビルや、小さな屋根の構造、数棟の白い家など、目印となる建物が幾つかあった。
「そこでグーグルアースに戻り、空港周辺でその描写と一致する情況や場所を探した結果、幸いにもこれが見つかった」とポルグレス氏はコンピューターの画面を指し示し、「ここにその黄色い建物がある」と指摘した。