グーグル、対話型AI「Bard」を発表 チャットGPTに対抗
(CNN) 米グーグルは6日、対話型の人工知能(AI)サービス「Bard(バード)」を発表した。
バードは、米新興企業、オープンAIが昨年11月に公開した「チャットGPT」に対抗するチャットボット(自動応答システム)。
ピチャイ最高経営責任者(CEO)はブログへの投稿で、6日から一部でテスト公開、数週間以内には一般にも公開すると発表した。
同氏はこの中で、世界の膨大な知識を、事前に学習させた大量のデータに基づいて文章を作る「大規模言語モデル(LLM)」の威力、知能、創造性と結びつけることが目標だと述べた。
グーグルによれば、バードには同社が約2年前に公開したLLM「LaMDA(ラムダ)」の技術が使われる。
グーグルの中核である検索事業にとって、チャットGPTの登場は深刻な脅威とみられ、経営陣は強い危機感を示してきた。チャットGPTは論説や物語、歌詞を書いたり、これまで人々がグーグルで検索してきたような質問に答えたりすることができる。
ライバルの米マイクロソフトはオープンAIに数十億ドル投資する計画を確認し、チャットGPTを自社製品の一部に組み込む方針を示している。この中には同社の検索エンジン「Bing(ビング)」も含まれるとの情報がある。
マイクロソフトはバードの公開が報じられた直後、ワシントン州の本社で7日にイベントを開催すると発表した。
グーグルは6日、バードについての投稿の中で、米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による新発見を、9歳児が興味を持つように説明するというタスクを挙げて実例を示した。
このほかにも、出産を控えた友人のためのお祝いパーティーを企画したり、アカデミー賞にノミネートされた映画2作品を比較したり、冷蔵庫の中身から昼食のメニューを考えたりする場面などに活用できるという。
ピチャイ氏は6日、グーグルの検索エンジンにも近くAIを使った機能を導入する方針を表明。複雑な情報を分かりやすくまとめることで、全体像を把握し、より多くの知識を得ることが可能になると説明した。
グーグル検索に対話型AIを搭載する動きについては、偏見を根付かせたり誤情報を広めたりする悪影響の危険性も指摘されている。