カナダ政府、公用端末でのTikTok使用を禁止 米欧に続き
ワシントン(CNN) カナダ政府は27日、公用の端末で中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の使用を禁止すると発表した。
カナダ国家財政委員会事務局によると、同国では28日以降、政府が支給した端末にTikTokアプリの新規インストールができなくなり、すでにインストール済みの場合も削除される。
政府の最高情報責任者(CIO)が、プライバシーと安全保障へのリスクは容認できないレベルにあるとの判断を下したという。
フォーティエ国家財政委員長は声明で、これまでに米連邦政府や米国内の半数以上の州、欧州委員会も同様に禁止を決めていると指摘した。
これに対してTikTokの報道担当者は、カナダが欧米の後を追い、TikTokへの相談なしで禁止を発表したのは「奇異」な動きだと主張。
「われわれはカナダ国民のプライバシーや安全を守る方法について、政府当局者といつでも話し合う用意がある。このようにTikTokを名指しで差別しても、共通目標の達成には全く寄与しない」「結果的に政府当局者は、何百万人もの国民に愛されているTikTokを通して市民とつながることができなくなるだけだ」と述べた。
TikTokと親会社のバイトダンスをめぐっては、中国政府の命令でユーザーの個人情報を引き渡す恐れがあると指摘されてきた。ただし、今のところ実際に情報が流出したという報告はない。
カナダ政府も声明で、TikTokの使用がリスクを伴うことは明らかだが、現時点で政府の情報が流出したことを示す証拠はないと説明した。