英国、政府端末でのTikTok使用を禁止
ワシントン(CNN) 英国は16日、公用の政府の端末で中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の使用を禁止すると発表した。同盟関係にあるカナダ、欧州連合(EU)、米国に続き、同種の規制をかけることになる。
政府の発表によればTikTokは英国の当局者の間で広範に使用されてはいない。ただ今回の措置は、TikTokの親会社バイトダンスを通じた同アプリと中国とのつながりに対する懸念を反映している。また中国政府が当該企業に圧力をかけ、ユーザーの個人情報の引き渡しを強いる恐れも念頭に置く。
ダウデン内閣府担当相は16日、国会議員らに向けて「これは相応の措置であり、政府の端末に関する具体的なリスクに基づいたものだ」と説明した。
同日の声明の中で、TikTokは遺憾の意を表明。広報担当者は「こうした禁止措置の基盤にあるのは根本的な誤解であり、より広範な地政学に突き動かされてのものだ。TikTok及び英国内の数百万のユーザーは、そこで何の役割も果たしていない」「引き続き英国政府と協力してあらゆる懸念の対処に努める意向だが、当社に対する判断は事実に基づくものであるべきだ。競合他社と同等の扱いであってしかるべきだ」と述べた。
TikTokはかねて、自主的な取り組みによりセキュリティーの懸念に対処していると主張。技術的、制度的な措置を講じて米国並びにEUのユーザーのデータを世界規模の業務から隔離していると説明している。同様に、ユーザー情報に関して中国政府からいかなる要請も受けたことはなく、受けたとしてもそうした呼びかけには応じないと述べている。
声明ではさらに、英国を含む欧州のユーザーのデータ保護を一段と強化するべく、包括的なプランを既に始動したと明かした。
英国による発表の前日、TikTokは米国政府が中国のバイトダンスに対し、保有するTikTok株を売却するよう求め、応じない場合は米国で同アプリが禁止される可能性があると警告したとも述べていた。