送金アプリ創業者ボブ・リー氏殺人事件で容疑者逮捕、知人のIT事業経営者
(CNN) 個人間送金アプリ「キャッシュアップ」創業者のボブ・リー氏が殺害された事件で、米カリフォルニア州サンフランシスコ警察は13日、記者会見を開き、容疑者の男を逮捕したと発表した。
逮捕されたのは同州エメリービルのニマ・モメニ容疑者(38)。警察は、同容疑者とリー氏は知り合いだったとしているが、2人の関係についてそれ以上の詳細は明らかにしなかった。
州の記録によると、モメニ容疑者は技術サポートなどのサービスを提供するITビジネスの経営者。警察によれば、逮捕の際に抵抗することはなく、殺人容疑でサンフランシスコ郡の拘置所に勾留されている。
ニマ・モメニ容疑者/Nima Momeni/LinkedIn
リー氏は4日未明、サンフランシスコ市内の路上で刺殺され、直後の様子を防犯カメラの映像がとらえていた。
現地のニュースサイトによると、防犯カメラに映ったリー氏は、背後に血痕を残しながら、片手で脇腹を押さえ、もう片方の手に携帯電話を持っていた。
IT業界からはリー氏の死をいたむ声が相次いだ。起業家イーロン・マスク氏は今回の事件について、「サンフランシスコの凶悪犯罪は恐ろしい」という事実に脚光を浴びせたと述べていた。
この発言についてサンフランシスコ地区検察のブルーク・ジェンキンズ検事は「見境いがなく無責任」として批判。マスク氏の発言は「誤った状況」を想定しており、警察が捜査を続ける中で、実質的に「偽情報を拡散」させていると強調した。
リー氏は米モバイル決済大手スクエアの初代最高技術責任者(CTO)を務め、キャッシュアップの立ち上げに尽力。2021年には暗号通貨とデジタル決済を手がける新興企業モバイルコインに最高製品責任者として加わった。