ロシア政府、ウクライナ巡り内部対立か 米国防総省の流出文書が示唆 米紙
(CNN) 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は13日、米情報機関から新たに流出した文書の中に、ロシア連邦保安局(FSB)と国防省の一部を含むロシア当局者の間で内部対立が起きていることを示唆する情報があると報じた。
CNNはこの文書について独自に検証していない。NYTが新たに流出した27ページの文書を米当局者らに見せたところ、当局者は情報の内容を争わなかったが、自分で文書を独自に検証することはできず、また行わないと述べたという。
CNNは国防総省にコメントを求めている。
米当局は先週流出した第1弾の文書について、本物ではあるが、一部の文書は正当ではなく改ざんされたものだとしている。
NYTによると、文書はSNS「ディスコード」のサーバーの一つに投稿されたもので、FSBとロシア国防省がウクライナでの戦争の死傷者数を巡り対立していることが示されている。
ロシアのプーチン大統領がショイグ国防相や、民間軍事会社ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジン氏を会談に呼び出したことも示されている。会談は2月22日に行われたとみられ、弾薬の供給を巡る対立を解消する目的だった可能性が高いという。
プリゴジン氏はこれに先立ち、ワグネルの兵士に対する弾薬の供給で「大きな問題」をつくり出しているとして、ロシア国防省を批判していた。
プリゴジン氏は2月23日、SNSテレグラムのチャンネルで公開したメッセージや音声メモで、弾薬が戦闘員の元へ向かっていると述べた。
CNNがNYTの記事についてロシア大統領府に問い合わせたところ、当局者の間で内部対立が広がっているとの報道の「信頼性」に疑念を示した。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は「(内部対立に関する)これらの報道が何を基にしているのかは不明だが、報道の信頼性を疑っている。ロシア国内で起きていることの本質に関する記者の理解も疑わしい」としている。