ロシア語圏ランサムウェア集団のウェブサイト差し押さえ、米司法省発表
ワシントン(CNN) 米司法省は19日、各国の捜査機関と連携して、ロシア語圏のサイバー犯罪集団が被害者を恐喝して身代金を要求する犯行に使っていたウェブサイトを差し押さえたと発表した。
司法省の発表によると、米連邦捜査局(FBI)は被害者のコンピューターのロックを解除するソフトウェア鍵を開発し、約6800万ドル(約98億円)相当の身代金を要求されていた被害者を救ったとされる。
差し押さえたのは、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)を使って被害者を恐喝していたALPHV(別名ブラックキャット)と呼ばれる集団のウェブサイト。同集団は世界各国で1000以上の被害者から多額をゆすり取っていたとされる。
米国では過去1年半の間に大学、医療機関、ホテルなどを狙った犯行について、同集団が関与を認めていた。9月にラスベガスのカジノがランサムウェア攻撃を受けた事件や、翌月イリノイ州の病院から患者の記録が盗まれた事件にも関与していたとされる。
ALPHVのウェブサイト差し押さえには、FBIやシークレットサービス(大統領警護隊)、オーストラリアや欧州、英国などの捜査機関が協力した。
ランサムウェア集団は、闇サイトを使って被害者を脅迫し、多額の身代金の支払いを要求する。被害者が要求を拒めば盗んだデータを流出させることもある。
ALPHVに関与した人物は逮捕されていないことから、今後グループを再結成して犯行を繰り返す可能性もある。
仮想通貨調査会社のチェーンアナリシスによると、サイバー犯罪集団が受け取った身代金の額は今年上半期だけで少なくとも4億4900万ドル。ALPHVのような集団は、別の集団に有料でランサムウェアを貸し出している。