「北朝鮮は怖くない」 強気の韓国観光業 外国人客12%増
ソウル(CNN) 米韓などに対して繰り返される北朝鮮の挑発をよそに、韓国の観光地は例年をしのぐにぎわいをみせている。南北軍事境界線のツアーも通常通り実施するなど、観光業界は強気の構えだ。統計によれば、今年3月に韓国を訪れた外国人観光客の数は前年同月比で11.9%増加し、初めて100万人を突破したという。
首都ソウルの国民大学で北朝鮮問題を研究する専門家、アンドレイ・ランコフ教授の研究室を最近、韓国政府の広報担当者が訪れた。北朝鮮問題によるイメージダウンや観光業への打撃を懸念する担当者に、ランコフ教授は「外国メディアは困ったことに、北朝鮮の脅しを信じてしまう」と首を振った。
ランコフ教授は韓国政府の対応として、日常の暮らしが何の影響も受けていないこと、国民が脅し文句にまったく動じていないことを映像で徹底的に示し、外国メディアに提供するべきだと助言。「韓国の観光業界や経済に悪影響が及ぶことになれば、まさに北朝鮮の思うつぼだ」と強調した。
ソウルは北朝鮮の首都・平壌からわずか190キロ。砲撃やミサイル攻撃が十分届く圏内にある。
それでも、北朝鮮が韓国を攻撃することはあり得ないというのが、教授の確固たる立場だ。「金正恩(キムジョンウン)第1書記は今、北朝鮮で韓国の大企業経営者よりもっといい生活をしている。それを手放そうとするはずがない」と主張する。