世界はひとつ、同じ時を刻むカウアイ島の24個の時計
(CNN) ハワイ諸島の最北端に位置するカウアイ島にあるリフエ空港の出発ロビーの西側の壁には、24個の時計が同じ時間を指して3列にきれいに並んでいる。
これらの時計の文字盤に数字は書かれておらず、文字盤の目盛は12時間ではなく24時間に分かれている。そして各時計は完全に同期し、全く同じ時間を表示している。
そして各時計の下には、24の地名が書かれたラベルが貼られている。地球の表面を15度ずつ24分割し、各部分に位置する場所の名前が選ばれており、それらはすべて歴史上の重要な出来事に関連している。例えば、ロス氷棚、フォークランド諸島、ビキニ環礁、広島などだ。
「これらの時計を見ると、やや奇妙に感じるだろう」とカウアイ島を拠点とする建築家兼農夫のパーカー・クロフト氏は語る。
クロフト氏は、世界には複数の「時間」が存在するという、賛否の分かれる(しかも紛らわしい)考えを一時的ながら払拭することを目的とした国際展覧会「Time for One World(ひとつの世界の時間)」の創設者だ。
米バーモント州にあるバーリントン国際空港で始まったこの展覧会は、クロフト氏がニューイングランドで大学教授をしている時に考案した。
クロフト氏は、2000年を迎える直前に発生したいわゆる「2000年問題」をめぐる騒動に興味を抱き、その問題がいつ、どのように起こるかを研究し始めた。クロフト氏がこの問題に興味を抱くきっかけとなったのは、「(時間は)人類に最も広くまん延する幻想」という理論物理学者アインシュタインの言葉だった。