ニカラグア湖、大運河建設の前に見る景色
(CNN) ニカラグア湖での生活は、平穏かつ素朴で、外部との交流も少ない。しかし、現在ニカラグアでは、建設業者がパナマ運河になぞらえる大運河の建設が進んでおり、この運河が完成すると状況が一変する可能性もある。
香港に拠点を置くコンソーシアム、香港・ニカラグア運河開発投資会社(HKND)が主導する総工費500億ドル(約6兆円)のニカラグア運河が完成すれば、ニカラグアを貫く形で大西洋と太平洋とを結ぶ新たな巨大航路が誕生することになる。
HKNDは、ニカラグア政府から50年間にわたるニカラグア運河の建設・運営権を与えられており、期間の延長も可能だという。
「ニカラグア大運河」や「大洋間運河」とも呼ばれる運河の全長は278キロで、カリブ海側のリオ・プンタ・ゴルダから、太平洋側のブリトへと通じる。幅は最大約520メートル、水深は約27メートルで、完成すれば、水深、幅ともにパナマ運河を上回る。HKNDは昨年12月22日に開催した式典で、運河建設の開始を発表した。
運河のルートを切り開くために、3万人が移転を迫られるとの予測もあり、建設予定地域の住民や、手付かずの壮観な景色を愛する人々にとっては切迫した状況だ。
ニカラグア湖はこの運河のルート上にある。中米最大の淡水湖であり、ニカラグアの生態系の重要部分を維持しているだけでなく、多くのコミュニティーの支えとなっている。