コンクリートの塊が生み出すSFの世界――カメラが切り取った平壌
(CNN) シンガポールを拠点に活動するフランス人写真家ラファエル・オリビエ氏。常に人の目を引き付ける「目に見えるストーリー」を探し求めるオリビエ氏は、それらを自らの目で見るために各地を旅する。
依頼された仕事の合間をぬって、個人的な写真集を制作するために遠隔地や辺ぴな場所に足を運ぶこともある。
今年の夏、オリビエ氏は北京にある北朝鮮専門の旅行会社、高麗旅行社が主催する北朝鮮の建築ツアーに参加した。
ツアーの旅程には、定番の記念碑や像、壮大な軍事拠点などが含まれているが、それ以外にもアイススケート場や映画館、ボウリング場、サウナなど、同国の厳重に管理・監督されているテレビ放送に映らず、一般にあまり知られていない場所も含まれている。
オリビエ氏にインタビューを行い、ロッカールームのタイルから、どれも同じように見えるコンクリート造りの建物に至るまで、同氏が感じた平壌の「魅力」について語ってもらった。
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――建築写真を撮る上で特に難しい点は何ですか。説得力のある建築写真とそうでない写真の違いは何ですか。
「これは非常に大きなテーマで、話そうと思えばいくらでも話せます。建築写真は肖像写真に似ています。美男美女の写真でも、それを見る人の感情に訴えるものがなければいい肖像写真とは言えません。逆に不快な人物の写真でも、目やポーズなどに何かがあれば、素晴らしい肖像写真とみなされることもあるかもしれません」