ロシア革命100年、モスクワでレーニンの遺体と出会う
モスクワ(CNN) ロシア首都モスクワの「赤の広場」にある見どころの数々を訪れていると高くつく場合もあるが、無料のままのものもある。共産主義の指導者レーニンの防腐処理を施された遺体だ。
世界を変えた革命をレーニンが主導してから100年。ロシアでは同氏の保存遺体は依然として好奇と議論の対象であり続けている。しかし、旧ソ連時代の異例の光景をめぐる時間は尽きつつあるのかもしれない。
レーニンの遺体への訪問は今日、厳重に管理されている。
訪問者はクレムリン(ロシア大統領府)の壁の一角をほぼ囲むようにして伸びる行列に並び、金属探知機を通過した後、階段を降り、ほの暗い光に照らされた石の墓に到達する。ポケットから手を出すよう警備員から言われ、右側に移動して立方形の部屋に入ると、そこにレーニンその人が横たわっている。
レーニンの遺体はこれほどの歴史的重要性を持つ人物のものにしては驚くほど小さく見える(レーニンの身長は165センチだった)。
防弾ガラスの下、今春に着せられた新しいスーツにきちんと身を包んだその遺体は、部屋の暗赤色と黒の内装を背景に光を帯びている。
細部まで見ている時間はほとんどない。警備員は訪問客を精巧なひつぎの周りをU字型に絶えず動かしている上、霊廟(れいびょう)を出るまで会話や写真撮影、携帯電話を禁じる方針を徹底させている。