失われた大陸のかけらを求めて、「マウリティア」の痕跡を探す旅 モーリシャス
モーリシャス(CNN) 太古の昔にアフリカとインドから分離して姿を消していた「失われた大陸」を発見か――そんなおとぎ話のような話題がメディアの見出しを飾っている。
海中に沈んだという伝説の都市「アトランティス」や仏小説家ジューヌ・ベルヌの作品に出てくる「神秘の島」、映画「キングコング」の「髑髏(どくろ)島」を想起させる発想だ。
科学者はこの「新しい」大陸を「マウリティア」と呼んでいる。大陸の断片がインド洋のモーリシャス島で発見されたためだ。
大陸が7つ以上存在するなどという事態がいかにしてあり得るのか。もし他にも大陸が存在するのだとしたら、一体どこにあるのか。
今回の発見をしたルイス・アシュワル氏の説明によれば、その答えは、地質学者による大陸の理解は大半の人とは異なるというのものだ。
大ざっぱに言うと、地質学者は地球を大陸と海の2つの領域に分けている。大陸はもちろん陸地だ。古い物質でもあり、地質学者は大陸では数百万年単位でなく数十億年単位で測定される岩石を探している。
一方、海底にある岩石は比較的新しく、その歴史はわずか数百万年だ。
新たに発見されたのは、航海でたどり着けるような巨大な陸地ではない。大陸の破片だ。古代に存在していたゴンドワナ大陸が分裂し、インドとアフリカ、マダガスカルが分離した際に取り残された。
大半の島と同様、モーリシャスもインド洋の海底から噴き出す火山噴出物によって形成された。溶岩が冷えて石になり、最終的に植物や動物が育つのが可能になった。
アシュワル氏は「モーリシャスは若い火山だ」「モーリシャスに900万年以上前のものは存在しない」と指摘する。
だがモーリシャス島には、岩石の内部に閉じ込められていたり粉々になってビーチの砂と化していたり、あるいは道路脇の何でもない場所に隠されていたりという形で、地球最初期の数十億年前の物質の証拠が残されている。
こうした古代の鉱物はジルコンと呼ばれている。放射性を帯びており年代の特定が可能だ。