世界初の「エネルギーを生み出す」ホテル、北極圏で2021年にオープン
最初にとった方法は、石や耐候性の木材など、現地の天然素材を使ってホテルの建物を建てることだった。これならセメントや鉄鋼のように生産に化石燃料を必要としないので、最小限のエネルギーで生産・輸送が可能で、建物の二酸化炭素排出量が減る。
また換気や冷・暖房といった建物のシステムの合理化もエネルギー消費を抑制する、とスノヘッタのスヴァルト建設プロジェクトの責任者、ゼヌル・ハン氏は言う。例えば、日陰のテラスなら夏の間エアコンは不要になり、冬は地熱井が建物を温める。
「その結果、(最近のホテルと比較し)エネルギー消費を85%減らすことに成功した」(ハン氏)
太陽光を集める工夫
ホテルのエネルギー効率を高めるだけでなく、自家発電も可能にするのが太陽光発電だ。
北緯約66度という位置のおかげで、ノルウェーの海岸線は夏の間、日照時間が最大で20時間にも及ぶ。
そこでホテルの建設チームは太陽放射の利用効率を最大化するために、この地域の太陽放射の大規模なマッピングを行い、太陽放射が山地でどのような動きをするかを分析した。