クルーズ船員のホッキョクグマ射殺に非難集中 ノルウェー
(CNN) ノルウェー北方の北極海に浮かぶ島で、クルーズ船の先遣チームがホッキョクグマを射殺したことに対し、インターネット上で非難が集中している。
独ハパックロイド・クルーズの客船ブレーメン(定員155人)は10日間のクルーズに出ていた28日、ノルウェー領スバールバル諸島のスピッツベルゲン島に到着。ホッキョクグマから乗客を守るため、法律に従って常時同行している4人のチームがまず下船した。
同社によると、チームはホッキョクグマ1頭が近くにいることに気付かず、メンバー1人が襲われた。ほかのメンバーはこのホッキョクグマを追い払おうとしたが失敗し、銃で撃ち殺した。
襲われたメンバーは頭部を負傷して空路病院へ運ばれたが、命に別条はないという。
同社はチームの行動について、自衛のために介入せざるを得なかったと説明し、「非常に遺憾」だと述べた。
ホッキョクグマは生息数が世界でわずか2万5000頭とされ、絶滅の危険が高まる「危急種」に指定されている。
「ホッキョクグマを見るために島を訪れるわけではなく、通常は船上から観察するだけ」だと、同社は主張する。しかしインターネット上では「ホッキョクグマに近寄り過ぎておきながら、向こうが近寄ってきたからと殺すのか」など、非難の声が相次いだ。