タイ「秘島」の人気ビーチ、さらに2年閉鎖 米映画の舞台
バンコク(CNN) タイの国立公園管理当局は10日、同国南部ピピレイ島にあるマヤ湾の閉鎖期間を少なくとも2年間延長し、2021年6月までは観光客の出入りを禁止する方針を明らかにした。
同湾はサンゴ礁や海洋生態系の再生などを理由に昨年6月以降、立ち入り禁止となっていた。この間、サンゴ約1万個も湾周辺に再移植された。昨年10月には日帰り旅行の再開を予定していたが、時間がまだ必要として無期限閉鎖に踏み切っていた。
同湾は米人気俳優レオナルド・ディカプリオさんの主演映画「ザ・ビーチ」(2000年公開)の舞台ともなってタイ屈指の人気ビーチとなり、観光客が押し寄せていた。
観光客でにぎわう閉鎖前のビーチ=2018年4月/LILLIAN SUWANRUMPHA/AFP/Getty Images
同管理当局の幹部は、閉鎖の2年間延長の決定について、自然条件の十分な回復を見極めるためには時間がさらに必要とし、今後も3カ月ごとに評価作業を繰り返すとした。
訪問客を受け入れる施設拡充のための時間的余裕も必要と指摘。浮きドック、環境重視の遊歩道や新たな手洗い所を建設の予定。訪問客を1日当たり約1200人に限定するための電子チケット制度も開発中。閉鎖前には1日で推定5000人だったという。
ピピレイ島での宿泊は禁止されていた。しかし、国立公園管理当局の統計によると、昨年通年の訪問客は250万人に達する勢いだった。前年比では50万人増の水準となる。
マヤ湾付近でシュノーケルを楽しむ人々/LILLIAN SUWANRUMPHA/AFP/AFP/Getty Images
同湾が閉鎖される前はボートが自由に出入りし、日光浴やシュノーケルなどを楽しむ訪問客を運んでいた。ボートは現在、湾の外側の限界海域には入れるがビーチは進入禁止となっている。
マヤ湾への訪問客の多くは高速ボートで1時間以下の距離にあるリゾート地プーケット島からの日帰り旅行となっている。