写真特集:タイのワチラロンコン国王
戴冠式に臨んだワチラロンコン国王(66)=4日/Handout/Thailand Department of Public Relations
(CNN) タイで4日、ワチラロンコン国王(66)の戴冠(たいかん)式が始まる。タイで戴冠式が行われるのは約69年ぶりで、3日間の式典の費用は10億バーツ(約34億8000万円)に上る。
ワチラロンコン国王は2年あまり前、父親のプミポン前国王の死去に伴い即位。チャクリ王朝の10代目の国王となった。
多くのタイ国民にとって、今回の戴冠式は初めての体験となる。プミポン国王の戴冠は1950年5月5日だった。
タイ・ナレスワン大学のポール・チェンバース氏は「(戴冠式は)多くの点でタイの歴史の新たな1章を開くものだ」「これによりワチラロンコン国王に正統性が付与され、王の治世が正式に始まる」と指摘した。
タイでは86年前に絶対王制に終止符が打たれたが、王室は依然として国民生活への影響力を保っている。国内各地で王族の写真が掲示されているほか、王族への名誉毀損(きそん)や中傷、脅迫は厳格な不敬罪法に基づき違法とされている。
タイは13年間で2度のクーデターを経験するなど、不安定な政治情勢が続く。3月には総選挙が行われたが、結果はいまだ判明しておらず、2大政党がいずれも政権樹立の権利を主張する展開となっている。
タイ政府の広報部門によると、3日間の戴冠式ではワチラロンコン国王が7.3キロの王冠が受け、市内をパレードするほか、76県で採取した聖水を使って清めの儀式も行われるという。
当局はCNNに、戴冠式の費用として10億バーツを計上したことを確認した。2017年に行われた前国王の葬儀はこの3分の1の費用だった。