入場者数世界一のルーブル美術館、「窒息状態」訴え職員スト
(CNN) 世界の博物館・美術館の入場者数ランキングで、フランス・パリのルーブル美術館がトップに立った。しかし押し寄せる観光客の多さに職員の負担が増大し、受付係や警備員がストを展開する事態になっている。
ルーブル美術館は2018年の入場者が過去最高を更新して1020万人に到達し、入場者が世界一多い美術館になった。
しかし毎日大勢の観光客が終日押し寄せる状況に対し、労働組合は「ルーブルは窒息状態」とする声明を発表、「入場者は2009年以来、20%以上増えたが、美術館は成長しない」「現在の状況は維持できない」と訴えた。
27日は休館となり、不満を訴える職員との協議のため、再開は予定より遅い29日にずれ込んだ。美術館前には入場待ちの行列ができ、予約のない人は入場できなかった。
ルーブル美術館の入場者は、パリの観光客が激減した2017年は大幅に減少したが、18年は急激に回復して12年の過去最高記録を更新した。
来場者数ランキングはテーマエンターテインメント協会(TEA)などがまとめている。ルーブル美術館の入場者は増えたものの、全体的にはほぼ横ばい状態で、世界の上位20館の平均では17~18年にかけて0.1%増にとどまった。18年の入場者数はこの20館の合計で1億810万人だった。
ルーブルに次ぐ2位は北京の中国国家博物館で、18年の入場者はほぼ7%増のおよそ860万人。次いで米ニューヨークのメトロポリタン美術館、バチカン市のバチカン博物館、米首都ワシントンの国立航空宇宙博物館の順だった。