自閉症の男の子が1人で空の旅、母の心配よそに隣席の男性と友達に 米
(CNN) 米国で自閉症の7歳の男の子が父親に会うために1人で飛行機に乗ったところ、隣の席の男性とすっかり打ち解け、友達になる出来事があった。男性は男の子と写った写真を男の子の母親に送り、1人旅の無事を心配していた母親を安堵(あんど)させた。
アレクサ・ビョルンソンさんは息子のランドン君が1人で飛行機に乗ることになったとき、少なからず不安を覚えた。ランドン君は自閉症で、単独での旅行は難しいように思えたからだ。
そこでアレクサさんはランドン君にメモを渡し、機内で隣に乗り合わせた人に見せるように告げた。メモにはランドン君が高機能自閉症であること、「まだ着かない?」と繰り返し尋ねる可能性があることが記されていた。
アレクサさんはメモと一緒に現金10ドルを同封。ランドン君が安全に、居心地よく過ごせるようにしてくれることへのお礼とした。
ランドン君は先月27日のラスベガス発ポートランド行きの便に搭乗した。隣の席にはベン・ペドラザさんが座ったが、現金など受け取らなくてもランドン君とのフライトは素晴らしいものになった。
ペドラザさんはCNN系列局のKATUの取材に答え、「2人で冗談を飛ばし合った。しばらくすると、おやじギャグは止めてと言われた」と機内での打ち解けた様子を明かした。
フライトも終わりに近づくころ、ペドラザさんはランドン君とのスナップ写真を撮り、アレクサさんに送った。写真には次のようなメッセージが添えられた。
「『まだ着かない?』と何度か聞かれたけれど、ランドン君は最高の旅仲間だった。じゃんけんで遊んだりして、楽しい時間を過ごした」「すごくいい子を持って、あなたは恵まれている」
10ドルについては「気持ちだけで十分」とし、ランドン君への敬意として自閉症協会に寄付したと伝えた。
KATUの取材を受けたアレクサさんは、息子に優しく接してくれたペドラザさんに「ものすごく感謝している」と語った。
マーカス自閉症センターは自閉症の子どもを持つ親に対し、子どもと旅行する際には前方に座席がなく足元が広くなっている席か、通路側の席の手配を依頼するよう勧めている。このほか子どもが長時間楽しめるものを持ち込んだり、早めに空港を訪れて景色や人混みに慣れさせておくなどの対策も効果があるという。