イタリアの島で突発的な火山噴火 巨大な噴煙、ボートに迫る火砕流
(CNN) イタリア南部シチリア沖のストロンボリ島で28日に大規模な火山の噴火があり、火砕流が発生して岩石や火山灰が吹き飛ぶ中、住民や観光客が緊急避難した。
消防によると、この噴火によって林野火災が発生。地元紙は、噴火口からの噴出物が海に流れ込んでいると伝えた。
イタリア国立地球物理火山学研究所によれば、今回の噴火は突発的に発生し、数百メートル規模の火砕流が海に流れ込んで、噴煙は高さ2キロに達した。
噴火発生当時、海上のボートにいたシチリア島の女性(19)は、自分たちのボートの目前に迫る火砕流を携帯電話のカメラでとらえた。
「ボートはすぐに最高速度に上げたけれど、それでもボートなので限度がある。海に達した黒煙は、たちまち私たちに迫って来た」「船尾から数メートルの所まで黒煙が迫ってパニックになった。けれどかじを握っていた父のおかげで、ギリギリで逃れることができた」。女性はCNNの取材にこう話している。
噴火による負傷者は報告されていない。
ストロンボリ島の住民はCNNの取材に対し、「巨大な爆音が聞こえて火山が噴火した」「みんなが広場に集まっていたところ、間もなく砂や岩石が降り注ぎ始めた。どれほど大混乱になったか想像してほしい。私たちは地震を恐れて教会のはりの下に避難した」と語った。
噴火によって起きた火災は消防が消し止め、島を離れたい人のために船舶が用意された。
近隣のリパリ島の市長は地元紙に対し、「状況はコントロールできている」と述べ、市民に警戒を促すとともに、公共交通機関以外の船舶の入港を禁止したことを明らかにした。
ストロンボリ島では7月3日の噴火で35歳のハイカーが死亡している。