英国と欧州の旅行客、合意なき離脱で「大混乱」も 業界関係者が予想
他国からの旅行者もこの混乱に巻き込まれるとジェンキンズ氏は予想、「最悪のシナリオとして、24時間の遅れが最初の24時間で生じる」と述べ、そこからさらに「何日間も」待たされることもあり得るとの見通しを示した。
ただし誰もがそれほど不安に思っているわけではない。高額旅行を手がけるブラック・トマトの共同創業者トム・マーチャント氏は、「海外の顧客がそれまで予約を手控えていた高額旅行を、買い得と見なして予約するようになっている」と話す。
これまでのところ、ポンド安のおかげでEU離脱前の英国を訪れる人は増えているようだ。 英政府観光庁によると、9月~11月までの英国行きの便の予約は前年に比べて5%増え、中国からの予約は23%増となった。
それでもジェンキンズ氏は、「中国市場は脆弱(ぜいじゃく)だ。それは完全に理にかなっていると思う」「違う文化から来る旅行者は、物資の供給が混乱するといった話に大きく影響される」と指摘する。
食品や医薬品や燃料が不足したとしても、外国からの旅行客が受ける影響は英国民に比べればはるかに小さいかもしれない。それでも「国境での食料不足や遅れを考えれば、英国が魅力的な目的地とは思えなくなる」とジェンキンズ氏は述べ、「合意なき離脱は率直に言って大混乱を引き起こす」と予想した。