英下院、総選挙求める動議を否決 首相は2度目の敗北
(CNN) 英下院は10日、ジョンソン首相による解散総選挙を求める2度目の動議を否決した。総選挙の実施には下院の3分の2以上の賛成票が必要だったが、実際の得票はこれを大きく下回った。
動議への賛成票は293票にとどまり、可決に必要な434票に届かなかった。野党勢力が結束して反対や棄権に回り、解散総選挙を求めるジョンソン首相に2度目の敗北を突きつけた形だ。
ジョンソン氏は動議の否決を受け、投票前に下院に向けて国民を信頼するよう強く訴えたにもかかわらず、野党が再び自分たちの意見を通したと批判。「野党はまたしても欧州連合(EU)からの離脱の先延ばしを望んだ。状況を大きく前進させることを拒んだだけでなく、2度にわたり英国民が選挙で意思表示する機会を否定したのだ」と述べた。
また今後下院が10月半ばまで閉会するとしたうえで、野党議員らに対し、その間を利用して現状を「じっくりと考察」するよう求めた。
これに対し野党・労働党のコービン党首は、議会を停止することで政府は説明責任から逃れようとしていると閉会の措置を非難した。
このほか下院所属のスコットランド民族党(SNP)議員を率いるイアン・ブラックフォード氏はジョンソン氏について、「首相就任以来、下院に提出したすべての動議を退けられている」「少なくともその点では一貫している」と皮肉った。